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不妊症の原因と検査/一般不妊治療

2016/10/1

こんにちは。生殖医療科の大内久美です。妊娠を希望しながら思うように妊娠が成立せず、人知れず大きなストレスを抱えている人は少なくありません。生殖医療科を受診してみようかな、でもどんな検査や治療が始まるのだろう?そんな不安をお持ちの方もいるかもしれません。今回は不妊症について、その原因と検査、一般不妊治療についてお伝えしていきたいと思います。

不妊症とは?

積極的に妊娠を希望して夫婦生活をもちながら1年以上妊娠が成立しない場合に不妊症と診断します。不妊治療というと女性が通院するイメージが強いかもしれませんが、実際は原因の35%は男性因子によると報告されており原因不明の場合も実は少なくありません。

自然妊娠のしくみと不妊症の原因

卵巣から排卵された卵子が卵管でピックアップされ、子宮の入り口から入ってきた精子と卵管で受精し、受精した胚が分割を進めながら子宮内に戻り着床すると妊娠が成立します。このプロセスのどこかがうまくいかないと妊娠には至りません。例えば排卵障害があったり、排卵していても卵管の通過性がよくない場合、精子の数が少なかったり運動率が不良で卵子にたどりつけない場合、受精しても着床できない場合などさまざまな可能性があります。

検査

血液検査 脳や卵巣から分泌されるホルモンの検査を月経周期の適切な時期に行います。
クラミジア検査 クラミジアは卵管通過性障害の原因となりますが自覚症状に乏しく、感染していても気づかないことが少なくありません。頚管粘液検査や血液検査で感染の有無、既往の確認を行います。
超音波検査 子宮筋腫や子宮内膜症などの器質的な異常がないかの確認を行います。また治療が始まってからは子宮内膜の厚さ、卵胞の大きさを計測して排卵時期の予測をしたり、卵胞の変形から排卵の確認を行います。
精液検査 早めに精子の状態を確認することはその後の治療方針を相談する上でも有益です。事前に容器をお渡しして精液を持参していただくことも、アートセンター内の採精室で採精することも可能です。
子宮卵管造影検査 子宮の入り口から造影剤を注入し、腹部X線写真を撮影し、卵管の通過性や卵管水腫の有無などを確認する検査です。

一般治療

タイミング周期 超音波検査で子宮内膜の厚さや卵胞径から排卵時期を予測し夫婦生活のタイミングについてアドバイスします。排卵の少し前が妊娠しやすい時期になります。
人工授精 人工授精と体外受精、名前はよく似ていますが内容は大きく異なります。(体外受精の詳細はまた別の回で)人工授精とは排卵日に合わせて子宮内に洗浄、濃縮した精子を注入する方法で、それ以外のプロセスはタイミング周期とまったく変わりません。

年齢が上がるにつれ卵巣に貯えられている卵の数、質の変化がおこり、年齢が高くなるほど妊娠率は低くなります。また喫煙や肥満も妊娠の効率を下げることが知られています。どのタイミングで妊娠を考えるか、それぞれの事情もあると思いますが、妊娠がゴールではなく、その先に続く妊娠生活、分娩、育児までを健康に送っていただけるよう、一緒にできることから努力を始めていくことが大事なことだと考えています。

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亀田IVFクリニック幕張

亀田総合病院 生殖医療科 医長 大内 久美

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